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Escravo da Alegria

曲名 Escravo da Alegria
邦題 喜びの奴隷
作曲・作曲 Toquinho

愛に溺れていく様子をカーニバルに例えた曲。
タイトルは
 
Escravo  奴隷
 da  ~の
 Alegria よろこび
で、「よろこびの奴隷」です。

作者のToquinhoが、奥さんのMônicaとの関係も良好で、
幸せな日々を送っていたある日のこと。
通り過ぎるトラックに書かれていた一文が眼に留まります。
 Se o amor é fantasia eu
 me encontro ultimamente em pleno carnaval
 愛が幻想なのなら 
 最近の私はカーニバルの真っ只中にいるのだ
この一節にインスピレーションを得て、作曲したようです。

何百回も歌っていくうちに自然に生まれてくる訳の方が、
やっぱり自分でもしっくり来るのです。
ですが、今回は、ほぼ初見で訳してる、空気感の無い翻訳です。

・・・どうでもいいことですけどね、
でも私はこういう話が好きなんですけどね、
 Veio louca pra me enlouquecer

この動詞 veio (virの3人称点過去)の主語は誰なのか。

louca(形容詞「狂っている」)を名詞だということにして
 狂気が来た
と訳すのは非常にそれっぽいし、和訳もそうしたんですが、
本当にそうなのか?

名詞にするなら、a loucaと冠詞が付くんではないのか?
冠詞が付かないなら、形容詞なんじゃないのか?
形容詞だとしたら、何がloucaなんだろうか。
第1段落にはもちろん女性名詞がひとつも出ていない。
明示されていない、読者に判断を委ねさせるのか。

こういう感じで、文法的に考えるのが好きなんです。
雰囲気でさらーって読んでもいいんですけど、
やっぱねぇなんかねぇ、文法好きなんですよね。

「よろこびの奴隷」を
 「喜び」にするか
 「歓び」にするか
 「慶び」にするか
 「悦び」にするか
みたいな、感覚ですかね?
どうでもいい人にはどうでもいい世界。




Escravo da Alegria

E eu que andava nessa escuridão
De repente foi me acontecer
Me roubou o sono e a solidão
Me mostrou o que eu temia ver
Sem pedir licença nem perdão
Veio louca pra me enlouquecer

Vou dormir querendo despertar
Pra depois de novo conviver
Com essa luz que veio me habitar
Com esse fogo que me faz arder
Me dá medo e vem me encorajar
Fatalmente me fará sofrer

Ando escravo da alegria
E hoje em dia, minha gente, isso não é normal
Se o amor é fantasia
Eu me encontro ultimamente em pleno carnaval




歓びの奴隷

そう 私はその暗闇の中を歩いていたのだが
突然に私の身に降りかかってきたのだ
私から無気力さも孤独も奪い取り
眼を背けていたものを見せつけた
許可も赦しも乞わず
狂気が来た
私の理性を失わせるために 

目覚めることを願いながら眠りにつく
私に宿りに来た光と 私を燃え上がらせに来た炎と
共に生きていくために

怖がる私を励まし
果ては宿命的に私を苦しませることになるだろう

私はよろこびの奴隷になってしまった
この頃はもう正気ではない
もし恋が幻想だとしたら
最近の私はカーニバルの真っ只中にいるのだ

・・・・・・
o sono = 巣委員、眠り、休止、不活発、無気力
conviver = 共同生活する、同居する
encorajar = 勇気付ける、励ます
fatalmente = 運命的に、不可避的に、必然的に
ultimamente = 最近、このところ、最後に




コード進行参考
Cifra Club

参考ページ
青雲舎株式会社
 歌詞の和訳掲載。andoの訳し方がすばらしい!
DR.ZEM
 ポル語サイト。歌の成り行きを解説。



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暫くお休み

インターネットでふと見かけるボサノバ歌詞の翻訳や解説に、
ふっと嬉しくなることがあります。

それは、私のブログに影響を受けてると、見て取れるとき。
リンク張ってなかったり、一言連絡がなかったりしても、
分かるものです。

本格的に音楽をやっている方が参考にしてくださっていたりなんかすると、
とても照れくさいものがあります。
ブログにしてみてよかったなぁと悦に入る瞬間(笑)

直接伝えられないので、この場を借りて、皆様いつもありがとうございます!

さて、こそこそとほそぼそと続けてきたこのブログですが、
暫く更新ができそうにありません。

またいつか、頭がブラジル音楽に染められるそのときまで、ate logo!!

雑談

特に音楽贔屓ではないブラジル人2名と、音楽雑談。
 ブラジル音楽の歌詞を読んで訳すのが好き、
 だけど、詩が芸術的で理解に苦しむし、読めても深い意味まで突っ込めない
的なことを言ってみたところ、反応は、
 ブラジル音楽の歌詞の深い意味なんて、所詮「愛」だよ

おう、さらっとそうまとめてくるのか!

音楽家なら誰が好きかと聞かれたので、
歌詞ならシコブアルキと(しったかぶりで)答えてみたら、
 シコブアルキの詩は最高だ
 だけどソーシャリストだから嫌い
 「キューバ人は最高に幸せに暮らしてる」なんていうけど、キューバの実態は極貧生活
 他人が物を持たないことを絶賛するわりに、自分はパリに大豪邸を所有してるし

お話しした2人とも高学歴であることは事実だけど、
それにしても、特段音楽に興味が無くても普通にこういう視点を持ち合わせてるんだねぇ~
考えもしませんでした!

曰く、ブラジル音楽には興味が無いらしい(!)のですが、歌詞読みに付き合ってくれそうですよ。

ブラジル音楽歌詞の魅力

ブラジル音楽の歌詞の魅力…なんてものを話すことになり、
ちょっと苦労しました。

何に苦労した、って、「歌詞が」こんなに魅力的なんだっていう部分を貫く構成にすること。
だらだら話すなら、いくらでも小話はできるけれど、
それって単なる蘊蓄に過ぎない。
「歌詞の魅力」がテーマなら、
聴衆に「歌詞の魅力」が一番伝わる形で話を構成しなければならず、
そのためには、不要な要素はそぎ落とさなければいけないということ。

例えばブラジル音楽の歴史を語ったら、それは歴史の話になるし、
地域ごとの多様性を語ったら、それは多様性の話になってしまう。
YouTubeから有名歌手の動画を活用したら、歌詞の印象が薄れてしまうし、
結論に行きつかない。
「ブラジル音楽の歌詞って、面白い」って感じてもらうには、どうしたらよいのか?

結果、話したかった蘊蓄は全てそぎ落とすことになりました。

歌詞の魅力を「ユーモア」と「深み」に絞り、
その代表となる曲を取り上げて、共感を感じれるように、面白おかしく訳す。
その歌のタイトルも、歌手も、背景も、歌詞と関係ないなら語らない。

どうだったんだろうなぁ。。。
街中で流れるボサノバにきっと気づかない種の人たちに、
興味の種を植え付けられたかしら?

因みに取り上げた歌は
①ユーモア
 ・Emoldurada (輝く瞳に縁どられて)
 ・Com Que Roupa? (どの服で?)
 ・Vagamente (遠い想い出)
 ・Sabado em Copacabana (コパカバーナで過ごす土曜日)
 ・O Pato (アヒル)
②深み
 ・Tristeza (悲しみよさようなら)
 ・Samba de Orly (オルリーのサンバ)
 ・O Bêbado e A Equilibrista (酔っ払いと綱渡り芸人)

これでも頑張って公平に選んだつもりです。
ホントはPra Que Discutir Com MadameとかRomariaとかXibom Bombomとか
使いたい曲はいっぱいあったし、
熱い愛の歌や、サウダージな歌、自然を愛でる歌等々もあるんだけれど、
ストーリー上に配置できなかったので、あえなく没に。
皆さんなら、どんな歌を紹介しますか?

話したいことと、集めた情報と、紡ぎだすストーリーは、別物。
ブログもそう。
色々調べて読み込んでも、結果としてちょっとしか紹介文を書かないこともある。
それは、記事として、そこに蘊蓄を入れたくないからだったり、
歌詞の世界観にフォーカスしたかったりだったり、
色んな理由がある。
面白い情報が見つかったからってそれを盛り込みすぎると、
逆に全体として印象の薄い仕上がりになってしまう。
自分が本当に伝えたいことを見失わず、如何に不要な情報をそぎ落とすか、
それが一番難しくて、それでいて最も大切だとつくづく思う。

(Wikipedia的な情報が集まってると、
それはそれ一読者として便利に感じることもあるけれど。)

今日は久しぶりにお酒を飲み、ほろ酔いしました。
久しぶりに聴くジョアンジルベルトのCDが、凄く新鮮に聴こえ、
あーやっぱり好きだなーって思います。

初心

最近何だか薀蓄っぽくなりつつある。。
歌詞を好き勝手読んでたあの頃に戻ろう。

ブラジル

明けましておめでとうございます。

ブラジル人と結婚、
数年前に渡伯していた友人が、
昨年末日本に帰国しました。
理由は、治安の悪化による生命の危険を感じたから。

建築中の家に三度泥棒が入り、
住むマンションの前で薬キメた若者に絡まれ、
公園で遊んだ帰りに金を巻き上げられた。
これだけ布石があれば、次はきっと命に関わるだろう、と。

彼女の知人のブラジル人宅も泥棒に入られたり、
女1人での留守中に家宅侵入されレイプ殺害されたり、
稲妻誘拐され口座から一切の貯金を引き落とさせられたり、
そんな事件が後を立たない。
空き巣や恐喝など、身近すぎて誰も驚かない。

彼女が住むのはミナスの中規模都市。
リオやサンパウロに比べたら、安全で長閑な街。
そこで突如雇用状況が悪化したのが治安悪化の根本原因。
この街を離れる時、ブラジルの大都市で転職の話もあった。
だけど、深夜赤信号で車を止めるのが怖い、
明日自分の命があるかも分からない、
そんな環境にいては、意味がない。
誰かが犠牲になってからでは遅い。
そう思った。
ブラジル人のご主人も、ブラジルに住む夢を諦めた。

私達が日本にいて勝手に想像するブラジルは、訪れるブラジルは、
住むブラジルと違う。
過酷さは、理解し得ないものだと思う。

そんな国で生まれ、形を変え、私達を魅了するブラジル音楽。
それを、どう捉えますか?

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

荒井めぐみさんのポル語歌詞教室

http://www.megyu.com/grape3/

ポル語通翻訳の荒井めぐみさんが、
ポル語歌詞を見る教室を開いています!!

うわ~これは勉強になりそうだなぁ…
しかも、1回1.5時間で2-3曲やり、5回で10000円って、お得…
行きたいなぁ~

ウズベク語を習ってみます

「青の都」「イスラム世界の宝石」「東方の真珠」の別名を持ち
紀元前4世紀から存在が知られるシルクロードの中心都市…

samalkando

抜けるような青空、青いタイル、細密模様、中世の面影。

どんな美辞麗句を並べても言い訳にならないでしょう、
私が憧れた理由は、その街の名を知れば一目瞭然。
説得力があるその名は…

サマルカンド

ドラクエを連想しませんか?
…オタクですみませんね。
でも、素敵です。私は惹かれます。

というわけで、次の海外旅行はウズベキスタンに9割方決定☆
しかし英語は余り通じないお国とのことですので、
ウズベク語を習ってから行こうと思います~
ちょうどタイミングがいいことに、
職場近くにこの春開講したばかりのウズベク語教室も見つけたんだな☆

ウズベク語は、アルタイ諸語の言語で、
おもにウズベキスタンで話される母語話者数1850万人の言語です。
文字は歴史的にはアラビア文字で、近年はキリル文字で表記され、
現代はラテン文字に切り替わってきているのだそう。
今まで色々外国語をかじってきましたが、アルタイ諸語・キリル文字は初めて♪
きっと文法も(私にとって)斬新なことでしょう~
楽しみ!

というわけで、どんどん節操が無くなって行きますが、
ウズベク語学習記録もブログに残して行こうと思います~
(…この際だから、過去に書いてた某インド言語のブログ記事も
 ここにまとめちゃおうかなぁ…)

Lang-8 (外国語学習SNS)

ネット上に、Language Exchange(互いに外国語を教え合う)空間をみつけました。
Lang-8です。

ユーザ登録時に現在学習中の言語(例えばポル語)を登録したうえで、
その言語(例えばポル語)を使って様々なことを呟きます。
すると、その言語のネイティブスピーカー(例えばブラジル人)が
呟きで使った文法や表現を添削してくれるのです。

もちろん自分も外国人の日本語呟きを添削する、と。

人にもよると思うけど、個人的には外国語学習手段として非常に効果的だと思います。
外国語使用時に一番不安になるのが、「正しく使えているだろうか」ということ。
そして、知り合い相手に変な外国語を使って恥をかきたくない、というとこ。
とすると、ネット上(=知らない人だらけな空間)ならあまり恥ずかしくないし、
ぼそっと自分が呟いた(=誰宛てでもない)一言なら会話の流れを気にしなくていいし、
何より文字での一方的なコミュニケーションだから、ゆっくり文章を練る時間がある。

というわけで、さっそくやってみました。
ポル語で(爆)
結果、おぉお、アクセント記号とか全て取っ払って書いたら、まるまる訂正された~
まぁそれはいいとして、文章自体はほぼ誤り無かったらしく、感動。
私、結構ポル語できるじゃん!
みたいな勘違いも入り、モチベーションアップですね(笑)

因みに内容としては
「Maria GaduのLinda Rosaの意味が良く分からないんだけど、誰か教えて。」
的な呟きにしたんですが、そしたら返信で、
「ブラジル人にも理解不可能な歌詞なんだよね。
 まぁでもレズに関する歌だと思う。」
とのことでした。

なーんだ、ブラジル人に分からないんじゃ、私が訳せなくて当然ですわね!

今後は歌詞の翻訳中に疑問点がでてきたら、Lang-8で質問してみようと思います。