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Alvorada

曲名 Alvorada
作詞・作曲 Cartola, Carlos Cachaça, Herminio Bello de Carvalho

Alvoradaは、夜明けの意味。

夜明けと言う場合、もっと一般的な言葉がある気がします。
amanhecerとか、madurgadaとか...

よく考えると、日本語も夜明けを表す語彙が豊富ですよね。
日常使いはしないかもしれませんが、
ちょっと考えただけでも、
あけぼの、未明、暁、有明、明け方、彼誰、朝ぼらけ、鶏鳴、あした、
色々出てくる。

漠然とニュアンスの違いを感じてはいましたが、
具体的には、

【古語による時間区分】
 暁     夜半過ぎから夜明け近くのまだ暗い頃まで
 東雲    夜が明けようとして東の空が明るくなってきたころ
 あけぼの  ほのぼのと夜が明けはじめる頃で、朝ぼらけより少し前
 あさぼらけ 夜がほんのりと明けて物がほのかに見えるころ
 あした   夜が明けて空が明るくなった頃

【現代語による時間区分】
 未明  まだ夜が明けきらない時分(気象庁では、午前0時頃から午前3時頃まで)
 明け方 夜の明けようとするころ(気象庁では、午前3時頃から午前6時頃)
 朝   夜が明けて間もない時(気象庁では、午前6時頃から午前9時頃まで)

【朝の様子による言葉】
 彼誰 はっきりものの見分けのつかない、薄暗い時刻
 鶏鳴 一番どりの鳴くころ
 有明 夜が明けてもなお月の残る朝

という風にある程度分類可能なようです。

ポルトガル語のalvoradaもamanhecerと違うニュアンスがあるのかしら?
折角なので、類義語も含め、ポポ辞書で定義を調べてみました。

 madrugada  真夜中から明け方までのまだ薄暗い時間帯、
 lusco-fusco ラテン語起源で薄暗がりの光の意 
 alva      auroraの前の明るくなっていない頃
 aurora    陽が生まれる前の時間帯、曙(ローマ神話の曙の女神から) 
 crepúsculo  完全に明るくなるまえのほんのり明るい頃
 alvorada   初めの明るみ
 alvorecer  夜明けが始まること
 amanhecer 朝の最初の光が現れる時
 dilúculo   朝の黄昏

これを強引に日本語と比較したら

amanecer.jpg

うーん、緩い、緩すぎる。。
対象言語学的にいまいち。
まぁいいや、また気が向いたときに調べ直そう。




Alvorada

Alvorada lá no morro que beleza
Ninguém chora, não há tristeza
Ninguém sente dissabor
O sol colorindo é tão lindo
É tão lindo
E a natureza sorrindo
Tingindo, tingindo

Você também me lembra a alvorada
Quando chega iluminando
Meus caminhos tão sem vida
E o que me resta é bem pouco
Ou quase nada
Do que ir assim, vagando
Numa estrada perdida




夜明け

遥かモーホの夜明けは
何て美しい
泣く人などいないし
悲しみなど存在しない
輝きを増す太陽が あまりにきれいで
あまりにきれいで
自然は微笑みながら
色づいていく 色づいていく

あなたも 夜明けのよう
辺りを照らす
私の行く道はもう活力を失い
もう僅かしか残されていないけれど
そう こんな風に迷い当ても歩む道は
もうほとんど無いのだけれど

******

dissabor = 不愉快、悲しみ、面倒、厄介なこと、無味乾燥
colorindo = 彩る、飾る、生き生きとさせる
tingindo = 染める、赤みを帯びさせる
vida = 生命、活力
resta = 残る
vagando = 当ても無く歩く、漂流する
estrada = (精神的な)道、行動規範
perdida = 失った、道に迷った、駄目になった、絶望的な、救いようが無い、悩んだ




コード進行参考
Cifra club

参考WEBページ
阿部浩二のブログ
 とても自然な日本語訳を掲載。好みだな~
 「東の空に地平線の下から太陽が近づいて来て空が白夜明けを迎える」
 っていうAlvoradaの語彙考察も好きです。
つれづれ歌がたり
 歌詞の日本語訳を掲載。
 「サンバと言う夜明けが私の人生に光をもたらす...」
 明るそうでいて陰のある言い回しが、実にサンバらしいです。

上の2つのサイトでも、歌詞解釈に微妙な違いがあります。
例えば、歌詞一行目のLá no morro que belezaでさえ、
 阿部さん: あそこのモーホから眺める夜明け
 momocoさん:あの丘にも夜明けが訪れる
と言う風に、
話者の位置と、夜明けの訪れる場所がずれてる。
外国語を繊細にけれど正確に理解するのって難しいんだなぁと
つくづく思うのです。



やる気の無い顔でノリノリの演奏が出来る、そんなスキルが欲しい。
(私は頑張っても全然乗れてない。)
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