Maria, Maria
曲名 Maria, Maria
邦題 マリア、マリア
作曲・作曲 Milton Nascimento, Fernando Brant
例のごとく、歌詞を覚えるために翻訳します(笑)
マリア・マリア自体は日本(のブラジル音楽が好きな人たちの間)でも有名な曲のようで、
曲解説をしている日本語サイトもちらほら見つかります。
記事下部の参考ページ一覧をご参照ください。
。。。というわけで私は解説スルーしてもいいんですが、
やっぱりポル語サイトを漁って読んでみました。
誰にも頼まれたわけでもなく、何ならニーズすら無いのに、完全に趣味ですね。
マリア・マリアは、舞台集団Grupo Corpo(身体集団)による
同名の現代舞踊作品「マリア・マリア」のために1976年に作られた楽曲で、
公演の最初と最後に演奏されました。
つまり、テーマソングですね。
ただ、その時点ではまだ歌詞が無く、スキャットだけの曲でした。
公演が世界的な成功を収めたのち、1978年に後付けで作詞されたようです。
舞台作品はアフロアメリカン系の奴隷として働くある黒人女性の物語で、
特にマリアは、ミナスジェライス州の鉄道線の端に住み、
子供たちに教育と尊厳を与えるために努力を惜しまない女性でした。
主人公には社会的批判、怒り、自由への戦いといったテーマが投影されています。
…ということは、マリア・マリアの歌詞もその視点で読んだ方がいいということですね。
マリアという名前は、ブラジルではありふれた名前で、
それ故に、ごく普通の女性、身の回りの女性、といった表現の代名詞になっています。
日本でも、親戚、近所、同級生の陽子ちゃんや明子ちゃんと言ったところでしょうか。
世の中の『マリア』達は、決して容易な日常を送っているわけではありません。
ほら、日本の主婦だって、尽きることのない名もなき家事に忙殺され、
誰からも褒められず認められず、それでも耐えて心を強く持ち、
自我を殺し汗を流して働きつつ、子供や夫の前では笑顔の良妻賢母であり…
って愚痴がTwitterにも溢れてますよね。
ブラジルの場合は、そこに階級による不平等や男尊女卑、
黒人女性を排除抑圧する社会や、宗教的な制約など、
日本とは違った種類の抑圧があるかと思います。
疲れ知らずの黒人女性奴隷、逆境にも屈しない強さ、
常に笑顔を忘れず周囲を魅了する存在感、決して諦めない名もなき女性達。
そんな女性を表現した舞踊にインスピレーションを得た歌詞。
奴隷の黒人女性も人生を生き、愛されるべき存在。
痛みが刻み込まれた身体でも、
勇気を決して忘れず、人生や夢を信じ、
時には狡猾ささえ味方にし、果敢に生きていく、
そんな人々を称賛する歌のように思います。
黒人女性じゃなくても、ほら、日本の女性の抱えるもやもやにも気づいてあげて(笑)
どうでもいいのですが、ミルトンでマリアと言えばFlor de lisですが、
こっちのマリアは名もなき女性ではなく聖母マリアでしたね。ややこしい。
あと、ポル語サイトを漁って何が面白いって、
情報が多い分、雑多で視点も多様ということですよね。
中には「マリア・マリア」は「マリファナ」の意味だっていう解釈もあり、
「主であり、ある種の魔法であり、他のもの同様嗜好品として認められるべきであり、
最強に強くて抑える系の薬であり、泣くべき人が笑い出し」
とかいう歌詞の抜粋になるほどーと思ったり。
マリア・マリアという舞台の主題歌であることを知らなかったら、
この解釈になびいてしまいそうです(笑)
Maria, Maria
Maria, Maria é um dom, uma certa magia
Uma força que nos alerta
Uma mulher que merece viver e amar
Como outra qualquer do planeta
Maria, Maria é o som, é a cor, é o suor
É a dose mais forte e lenta
De uma gente que ri quando deve chorar
E não vive, apenas aguenta
Mas é preciso ter força, é preciso ter raça
É preciso ter gana sempre
Quem traz no corpo a marca
Maria, Maria mistura a dor e a alegria
Mas é preciso ter manha, é preciso ter graça
É preciso ter sonho sempre
Quem traz na pele essa marca
Possui a estranha mania de ter fé na vida
マリア、マリア
マリア
マリアは天からの授かりもの
魔法のような確かな魅力
私たちを警戒させ気づかせる力
この世の他の女性と同じように
生き、愛されるべき女性
マリア
マリアは音であり、色であり、汗
泣くべき時に笑い 生きることなくただひたすら耐える人々の
最も強くそして効き目の遅い薬
けれど 強さが必要だ 決意も必要だ
常に願望を持ち続ける必要もある
身体にその印を持つ者は
マリア マリア
痛みと喜びが交じり合う
けれど 狡猾さが必要だ 優雅さも必要だ
常に夢を抱いている必要もある
肌にその印を持つ者は 奇妙な癖がある
人生を信じるという癖が
******
dom = 贈り物、授かりもの、恵、天賦の才、調書、美点
magia = 魔法、魔術、呪術、妖術、黒魔術、魅力、魅惑
suor = 汗、労苦、重労働
dose = 含有量、薬の服用量、一度に飲む分量
ser dose = ser dose para leao = 非常に厳しい、退屈、不快
apenas = ただ…するだけ、もっぱら、やっと、かろうじて
aguenta = 支える、維持する、耐える、我慢する、持ちこたえる
raça = 人種、民族、種族、血統、仲間、同類、部類、強い決意、
ter raca = アフリカ人の血を引く、強い
manha = 器用さ、狡さ、狡猾、計略、策略、悪習、悪癖、
Possui = 所有する、持っている、果たす、務める、支配する、とりつく、
mania =
******
genteという基本用語。
a genteなら、人々とか私たちとか、不特定の多数だと読めるのですが、
uma genteとは?
不特定の人々をグループとしたそのあるグループって、
もう少し具体的にどういう手段だろう?
家族?黒人奴隷たち?地域の人々?
コード進行参考
参考ページ
なまくらにとうにゅう
詳細なミルトン解説、歌詞訳、単語解説。
こういう細かい故に相当脱線気味で思考駄々洩れな単語説明すごく好き。
秘密の宮廷ゴールデンタイム
曲経緯、歌詞の日本語訳。
まいにちポップス
曲解説、音源多数。ビートルズ感に惹かれるという個人的感想部が面白い。
Letras
ポル語。歌詞解釈。
久しぶりに歌詞検索して何に驚いたって、この歌詞サイト古株のletraが歌詞解説まで始めたってことですよね。
Versos e Prosas
ポル語。曲経緯。
la universal
スぺ語(途中までポル語だと思いながら読んでたらスぺ語だった時のショック)。曲経緯。
1976年の舞台の映像は残っていないようだけれど、
きっとこんな身体表現の舞台だったんだろうなー
Grupo Corpo、つまり身体集団っていう名称が既に語ってるよね!
邦題 マリア、マリア
作曲・作曲 Milton Nascimento, Fernando Brant
例のごとく、歌詞を覚えるために翻訳します(笑)
マリア・マリア自体は日本(のブラジル音楽が好きな人たちの間)でも有名な曲のようで、
曲解説をしている日本語サイトもちらほら見つかります。
記事下部の参考ページ一覧をご参照ください。
。。。というわけで私は解説スルーしてもいいんですが、
やっぱりポル語サイトを漁って読んでみました。
誰にも頼まれたわけでもなく、何ならニーズすら無いのに、完全に趣味ですね。
マリア・マリアは、舞台集団Grupo Corpo(身体集団)による
同名の現代舞踊作品「マリア・マリア」のために1976年に作られた楽曲で、
公演の最初と最後に演奏されました。
つまり、テーマソングですね。
ただ、その時点ではまだ歌詞が無く、スキャットだけの曲でした。
公演が世界的な成功を収めたのち、1978年に後付けで作詞されたようです。
舞台作品はアフロアメリカン系の奴隷として働くある黒人女性の物語で、
特にマリアは、ミナスジェライス州の鉄道線の端に住み、
子供たちに教育と尊厳を与えるために努力を惜しまない女性でした。
主人公には社会的批判、怒り、自由への戦いといったテーマが投影されています。
…ということは、マリア・マリアの歌詞もその視点で読んだ方がいいということですね。
マリアという名前は、ブラジルではありふれた名前で、
それ故に、ごく普通の女性、身の回りの女性、といった表現の代名詞になっています。
日本でも、親戚、近所、同級生の陽子ちゃんや明子ちゃんと言ったところでしょうか。
世の中の『マリア』達は、決して容易な日常を送っているわけではありません。
ほら、日本の主婦だって、尽きることのない名もなき家事に忙殺され、
誰からも褒められず認められず、それでも耐えて心を強く持ち、
自我を殺し汗を流して働きつつ、子供や夫の前では笑顔の良妻賢母であり…
って愚痴がTwitterにも溢れてますよね。
ブラジルの場合は、そこに階級による不平等や男尊女卑、
黒人女性を排除抑圧する社会や、宗教的な制約など、
日本とは違った種類の抑圧があるかと思います。
疲れ知らずの黒人女性奴隷、逆境にも屈しない強さ、
常に笑顔を忘れず周囲を魅了する存在感、決して諦めない名もなき女性達。
そんな女性を表現した舞踊にインスピレーションを得た歌詞。
奴隷の黒人女性も人生を生き、愛されるべき存在。
痛みが刻み込まれた身体でも、
勇気を決して忘れず、人生や夢を信じ、
時には狡猾ささえ味方にし、果敢に生きていく、
そんな人々を称賛する歌のように思います。
黒人女性じゃなくても、ほら、日本の女性の抱えるもやもやにも気づいてあげて(笑)
どうでもいいのですが、ミルトンでマリアと言えばFlor de lisですが、
こっちのマリアは名もなき女性ではなく聖母マリアでしたね。ややこしい。
あと、ポル語サイトを漁って何が面白いって、
情報が多い分、雑多で視点も多様ということですよね。
中には「マリア・マリア」は「マリファナ」の意味だっていう解釈もあり、
「主であり、ある種の魔法であり、他のもの同様嗜好品として認められるべきであり、
最強に強くて抑える系の薬であり、泣くべき人が笑い出し」
とかいう歌詞の抜粋になるほどーと思ったり。
マリア・マリアという舞台の主題歌であることを知らなかったら、
この解釈になびいてしまいそうです(笑)
Maria, Maria
Maria, Maria é um dom, uma certa magia
Uma força que nos alerta
Uma mulher que merece viver e amar
Como outra qualquer do planeta
Maria, Maria é o som, é a cor, é o suor
É a dose mais forte e lenta
De uma gente que ri quando deve chorar
E não vive, apenas aguenta
Mas é preciso ter força, é preciso ter raça
É preciso ter gana sempre
Quem traz no corpo a marca
Maria, Maria mistura a dor e a alegria
Mas é preciso ter manha, é preciso ter graça
É preciso ter sonho sempre
Quem traz na pele essa marca
Possui a estranha mania de ter fé na vida
マリア、マリア
マリア
マリアは天からの授かりもの
魔法のような確かな魅力
私たちを警戒させ気づかせる力
この世の他の女性と同じように
生き、愛されるべき女性
マリア
マリアは音であり、色であり、汗
泣くべき時に笑い 生きることなくただひたすら耐える人々の
最も強くそして効き目の遅い薬
けれど 強さが必要だ 決意も必要だ
常に願望を持ち続ける必要もある
身体にその印を持つ者は
マリア マリア
痛みと喜びが交じり合う
けれど 狡猾さが必要だ 優雅さも必要だ
常に夢を抱いている必要もある
肌にその印を持つ者は 奇妙な癖がある
人生を信じるという癖が
******
dom = 贈り物、授かりもの、恵、天賦の才、調書、美点
magia = 魔法、魔術、呪術、妖術、黒魔術、魅力、魅惑
suor = 汗、労苦、重労働
dose = 含有量、薬の服用量、一度に飲む分量
ser dose = ser dose para leao = 非常に厳しい、退屈、不快
apenas = ただ…するだけ、もっぱら、やっと、かろうじて
aguenta = 支える、維持する、耐える、我慢する、持ちこたえる
raça = 人種、民族、種族、血統、仲間、同類、部類、強い決意、
ter raca = アフリカ人の血を引く、強い
manha = 器用さ、狡さ、狡猾、計略、策略、悪習、悪癖、
Possui = 所有する、持っている、果たす、務める、支配する、とりつく、
mania =
******
genteという基本用語。
a genteなら、人々とか私たちとか、不特定の多数だと読めるのですが、
uma genteとは?
不特定の人々をグループとしたそのあるグループって、
もう少し具体的にどういう手段だろう?
家族?黒人奴隷たち?地域の人々?
コード進行参考
参考ページ
なまくらにとうにゅう
詳細なミルトン解説、歌詞訳、単語解説。
こういう細かい故に相当脱線気味で思考駄々洩れな単語説明すごく好き。
秘密の宮廷ゴールデンタイム
曲経緯、歌詞の日本語訳。
まいにちポップス
曲解説、音源多数。ビートルズ感に惹かれるという個人的感想部が面白い。
Letras
ポル語。歌詞解釈。
久しぶりに歌詞検索して何に驚いたって、この歌詞サイト古株のletraが歌詞解説まで始めたってことですよね。
Versos e Prosas
ポル語。曲経緯。
la universal
スぺ語(途中までポル語だと思いながら読んでたらスぺ語だった時のショック)。曲経緯。
1976年の舞台の映像は残っていないようだけれど、
きっとこんな身体表現の舞台だったんだろうなー
Grupo Corpo、つまり身体集団っていう名称が既に語ってるよね!
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